「SCALE Powered By PR」でPR人材の育成と企業とのマッチングを。人材の流動性を上げ日本のPRレベルを上げる。

「SCALE Powered By PR」でPR人材の育成と企業とのマッチングを。人材の流動性を上げ日本のPRレベルを上げる。
コミュニケーション領域のFAST COMPANYとして「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンを掲げるベクトルグループ。コミュニケーションを軸に世の中の流れを捉えた様々な事業・サービスを展開することにより、常に進化を続けています。「Talk」ではベクトルグループとシナジーを生みながら協業するパートナー企業様に、協業内容や共に世の中へ提供していく価値についてお話を伺います。

今回はベクトルグループと協業し、成長型PR人材データベース「SCALE Powered By PR」(以下、SCALE)を展開している、本田事務所の代表取締役 本田 哲也氏に具体的な取組みや目指すゴールについてお話を伺いました。
本田 哲也
本田事務所 代表取締役/PRストラテジスト

「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」にPRWEEK誌によって選出された日本を代表するPR専門家。セガの海外事業部を経て、1999年にPR会社フライシュマン・ヒラードの日本法人に入社。2006年にブルーカレント・ジャパンを設立し代表に就任。P&G、花王、ユニリーバ、アディダス、サントリー、トヨタ、資生堂など国内外の企業のPR支援を手掛ける。19年より、株式会社本田事務所としての活動を開始。著書に「その1人が30万人を動かす!」(東洋経済新報社)、「広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。」、「戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など

PR戦略の立案ができる人材を増やしたい

まずはSCALEの事業内容を教えてください。

SCALEは、事業をスケールさせるための広報・PR人材を必要とされている企業と、フリーランスや複業・副業として活躍するプロのPR人材との最適なマッチングを実現する「成長型PR人材データベース」です。独自に開発したコンピテンシー(スキル評価)モデルをもとにPR人材を評価・育成し、クライアント企業の事業フェーズと目的に最適な人材をアサインする仕組みです。

また、ご登録いただいたPR人材のスキルアップのためのカリキュラム「SCALE PR ACADEMY」を開講しています。広報・PR、メディア、マーケティングの第一線で活躍する方々に講師としてご登壇いただき、ノウハウの提供を行っています。

本田さんは長らくPR業界を牽引されています。改めて、ご経歴を教えてください。

株式会社セガを経て、世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードの日本法人に入社しました。

その後、グループ内起業でブルーカレント・ジャパンを設立し代表取締役に就任し、P&Gさんなどをはじめ国内外様々な企業のPR戦略立案に携わりました。そして2019年に独立し、「PR戦略立案」に特化したブティックとして株式会社本田事務所を設立しました。

会社設立の背景には、日本のPR業界には戦略立案の力を伸ばす余地が大きくあること、があります。パブリシティの獲得やイベント開催など、実務レベルの施策づくりにフォーカスするあまり、肝心な全体戦略の立案が手薄になっているケースが多いのです。そこで本田事務所を設立しました。

なぜ日本はPR戦略立案のレベルが高くないのでしょうか?

ひとつは単純に、お客様が求める数よりもPRの専門家が少ないことが原因だと思います。PR会社に勤務している等業界に携わる人の数は増えたと思いますが、「専門性が高いか?」と問われると話は別です。戦略立案ができる人を増やすことは業界全体の課題だと捉えています。

フレキシブルチーミングで、お客様に最適なPRソリューションを

ベクトル社と協業を始めた経緯を教えてください。

本田事務所が掲げるコンセプト「フレキシブルチーミング」に共感いただき、ベクトル代表の長谷川さんから連絡をもらったのがきっかけです。

フレキシブルチーミングとは、フリーランスを含め、多様な人材を組み込みながらお客様の課題を解決するチームを作るべきだという考え方です。本田事務所としても、このコンセプトをもとに、正社員の採用は行わずに組織づくりを行なっています。

ベクトル社と話をするうちに、人材のフレキシビリティに対する考え方が共通することがわかりました。また、そんな世の中に対応するにはPR人材をマッチングさせるためのプラットフォームやコミュニティが必要だという意見も一致し、一緒にSCALEを立ち上げることになりました。

なぜフレキシブルチーミングをコンセプトに掲げているのでしょうか?

20年以上PR業界にいますが、お客様が我々に求めることはどんどん変化します。そして、とくにここ数年で強く感じたのは、チーム体制に対する「フレキシビリティ」だったんですね。

例えばPR会社の経営者の立場だと、なるべく全ての社員が価値を最大限発揮できる環境を整えたいと思っています。ただしPRの仕事は属人性が高く、個々人によってできることにばらつきがあります。この傾向は日本に限らず世界的に見ても同じです。俳優やアーティストといった仕事と同じように、ある種の「センス」といえるものもあります。

そうなると、お客様からすると「自社にフィットしているAさんに担当いただきたい」と考えるのが普通ですが、同じ時期に複数の担当が重なっていて物理的にAさんが担当できないことがあります。

そこで、これまでのように特定の担当者が長期間ずっとクライアントに張り付くという形ではなく、例えば3ヶ月限定でチームを編成したり、ひとつの目的達成のために一時的にチームをつくったりと、フレキシブルなチームづくりを行う必要があると考えたのです。

協業相手としてベクトル社を選んだのはなぜなのでしょうか?

協業前からフレキシブルチームの実現にあたり、複業やフリーランスの方を含めたPR人材のデータベースを作りたいと考えていました。PR人材は市場にたくさんいますが、体系的にデータベース化されているサービスがなく、いろんな人材派遣会社に登録されているなど、バラバラの状態でした。

ただ、自社だけで作ると時間がかかり過ぎると思っていました。その点、ベクトル社はアジア最大規模のPR会社で人材の層も厚く、システム開発や運用のプロもいます。我々からはコンピテンシーなどのノウハウを提供し、ベクトル社の資産を活用するという体制は、非常に良い補完関係が築けるのではと感じ、協業させていただくことにしました。

SCALEをリリースしてみての手応え

SCALEを活用するのは、どんな企業が多いのでしょうか?

大企業から中小企業まで幅広くご活用いただいています。

もともとイメージしていたのはスタートアップ企業でした。スタートアップはPR会社に依頼をするほど潤沢な資金がなく、かといって社内にもPR担当者がいないという状況があると思っていたからです。しかし実際は、スタートアップ企業だけでなく、大企業からのお問い合わせも多く、広告代理店からお引き合い頂くケースもあります。

PRを強化していきたいと考えてはいるものの、具体的に何をやればいいのか分からないという会社様が多く、そのニーズが顕在化したのだと思います。

SCALEに登録するPR人材の数はどれくらいなのでしょうか?

こちらも当初の想定を大きく上回る結果になりました。もともとは、繋がりのある方々を中心に100名程度ご登録いただく想定でしたが、サービス立ち上げから5ヶ月で登録者数は400名を超えました。ご登録いただくのは企業所属で複業希望の方とフリーランスが半々ぐらいです。

たくさんの方にご登録いただいている一方で、経験の浅い方からベテランまで混ざっていて、人材の質としてはばらつきがある現状です。インフルエンサー領域が得意だったり、広告制作が得意だったりと各人の専門性もバラバラです。専門性に幅があるのは、マッチングサービスとしては良いことなので、登録者それぞれの強みは活かしつつ、PR戦略構築に関するノウハウなど足りない部分はSCALE PR ACADEMYで補っていければと考えています。

協業を始めてみて、ベクトル社の印象に何か変化はありましたか?

本田事務所としてはこの1年半ほど、複数のPR会社と組んで仕事をしてきました。その中で、実は今回の協業に限らず、最もお仕事をご一緒していたのがベクトルグループでした。ご一緒する中で強く感じていたのは若さと誠実さでした。エネルギーに満ち溢れていて、PRの仕事が好きなんだろうなと感じる方が多いですね。

今もその印象は変わらず、一緒に働いていて非常にやりやすく、助かっています。

PR人材の流動性を上げ、日本全体のPRレベルを上げる

今後、SCALEをどのように展開されるつもりでしょうか?

ご登録頂いているPR人材の方々の専門性をさらに高めてもらうため、「SCALE PR ACADEMY」でのカリキュラム提供・改善に力を入れていきたいと考えています。一流講師陣による無償のセミナーを毎月オンラインで開催していて、多くの方にご参加頂いています。

独自に開発したコンピテンシーも活用しつつ、3年スパンぐらいで全体のレベルアップを目指していきたいです。

事業を通して世の中をこう変えたい、といった想いについてお聞かせください。

日本の企業はもっとPR力を高めなければならないと思っており、そのためにPR力のある人を増やしていきたいと考えています。

例えばPR先進国のアメリカは人材の流動性が高いので、優秀なPR人材が事業会社、エージェンシー、行政といろんな組織に所属しグルグルまわっているような感じです。ざっと日本の100倍ぐらいは、戦略的なPRを理解している人材がいる印象です。

そこで、フレキシビリティチームを活用し、質の高いフリーの人材といろんな組織のマッチングを成立させ、人材の流動性をあげていきたいと考えています。

ひとつの企業で何十年も広報をやっているというのも決して悪いわけではありません。ただ、それだとどうしても応用力が培われません。PRは持っている視点の数の多さが重要で、視点が増えるとそれだけお客様への提案にも幅が広がり、より価値を提供できるようになるのです。

本田さんご自身の今後の展開も教えてください。

「PR」は周りから見ると捉えどころのない言葉で、誤解されることも多いです。ただ私はPRという発想自体が重要だと思っていて、その発想を持っている人を増やすことで貢献できることがたくさんあると思っています。

マーケティング的な視点で見ればPRは特定の商品やサービスを世の中に広めることを指すことが多いですが、開発の段階でPRの発想が反映されていればもっと良い商品が生まれるケースも多いです。モノができてからではなく、できる前にもPRの発想は必要なのです。他にも、インベストメントやキャピタルなど別の領域でもPRの発想があれば結果を変えられるものはたくさんあると思っています。

PRはいわばテクノロジーのようなものです。ですから「技術転用」できるフィールドはPR業界に限らずたくさんあるはずです。だからこそ、特定の領域にとどまらず、PRが関わる領域をもっと広げていきたいと考えています。

Related Articles関連記事一覧