コロナ禍で脚光を浴びるライブ配信市場を先んじて見出し、事業化。 熱く深いファンコミュニティを活かし、日本版ライブコマース を確立したい。

コロナ禍で脚光を浴びるライブ配信市場を先んじて見出し、事業化。 熱く深いファンコミュニティを活かし、日本版ライブコマース を確立したい。
「運命の出会いを、ヒトとモノとコトの間に」という世界観を掲げるベクトルグループ。
コミュニケーションを軸に世の中の流れを捉えた様々な事業・サービスを展開することにより、人々の暮らしに彩と運命の出会いを添えるべく、常に進化を続けています。
「Talk」ではベクトルグループとシナジーを生みながら協業するパートナーとともに、協業内容や一緒に世の中へ提供したい価値についてお話を伺います。

ベクトルグループ子会社である株式会社Direct Techは昨年、新しいコミュニケーションのあり方やモノの広め方を実現するため、インフルエンサーマネジメント事業として育成型ライバープロダクション「pino live(ピノライブ)」をスタートしました。今回は事業責任者である小坂 尚嗣氏と、女優であり人気ライバーとしても活躍している大原 梓氏に、コロナ禍でさらに盛り上がりを見せているライブ配信事情やベクトルグループがライバープロダクションを始める意味、これからの展望について聞きました。
大原 梓
株式会社コンテンツ3 女優

福岡県糸島市出身。2019年1月にスカウトをきっかけに芸能界入り。
2月には名古屋ウィメンズマラソン2019のテーマソングmiwa「RUN FUN RUN」のMVに出演し、その後ドラマ・映画・グラビアなどにも出演。2020年には女子中高生に大人気のAbemaTVのオオカミシリーズ「月とオオカミちゃんには騙されない」に出演。NHK福岡スペシャルドラマ「となりのマサラ」ではヒロインを務めた。
小坂 尚嗣
株式会社Direct Tech ライバーマネジメント事業部 事業責任者

1995年生まれ。秋田県出身。函館大学在学中の2016年夏に上京。社員数3名の教育系ベンチャー企業にて業務委託契約で働き始め、卒業後も継続して約3年間勤務。その後、UUUM株式会社を経て2019年5月、株式会社Direct Techに入社。同年6月に育成型ライバープロダクション『pino live』を立ち上げ現在に至る。

コロナ禍で脚光を浴びるライブ配信市場を先んじて見出し、事業化。熱く深いファンコミュニティを活かし、日本版ライブコマースを確立したい。

参照元: YouTube

コロナ禍でさらに盛り上がりを見せるライブ配信市場。ファンの熱量の高さが特徴

ライブ配信の市況はどのような状況でしょうか?

小坂:コロナ以前から盛り上がっている市場ではありましたが、緊急事態宣言以降、家にいる時間が増えたことで、ライバーもファンも急激に増えています。

タレントの方々は新たな活躍の場を求めて、フリーランスの方々は集客のために、ライブ配信を始めるケースが多いです。また、マーケティング観点で言えば、インフルエンサーの既存SNSでのリーチ数が伸びても広告効果がわかりづらく、案件数が伸びづらいとのことで、ライブ配信を活用して新しいファンコミュニティをつくろうとする方が多かったです。

とくにインフルエンサーの方々にとって、SNSなど他のメディアでは広く浅くコミュニティを作っていくのに対し、ライブ配信だと狭く深くコミュニティが作れるところが魅力です。1人のライバーさんが数千万円もの経済効果を生み出すほど、ファンの熱量は非常に高いです。

また、ファン同士で交流ができることもライブ配信の魅力です。ファンの方々が集まり、好きな人同士で盛り上がることでコミュニティーが強まっていきます。

ライブ配信をサポートしている「pino live(ピノライブ)」の事業内容を教えてください。

小坂:ライブ配信アプリ上でリスナーとコミュニケーションをとる「ライバー」と呼ばれる方々の、育成やサポートを行うのが我々の役割です。

ライバーには大きく3種類あると考えています。1つ目は、大原さんのようにマスメディアで活躍されているタレントさん。2つ目は、YouTuber、TikToker、インスタグラマーなど多くのフォロワーを持つインフルエンサーの方々。3つ目は、フィットネストレーナーなど個人でフリーランス業を営む方や学生の方です。

ライバーの8割は女性で、我々がメインで使っているライブ配信アプリ「Pococha」は20代から30代前半の方が多く、同じくライブ配信アプリの「SHOWROOM」はもっと若い世代が多いなど、プラットフォームにより多少の違いがあります。

具体的に我々が行うのは大きく2つです。まずひとつ目は、インフルエンサーやフリーランサー向けのサポートです。彼らには弊社社員がマネージャーとしてサポートしています。隔週でミーティングを設け、視聴者数などの定量的な情報・傾向から、コンテンツによって与えている印象など定性的な側面までフィードバックし、改善を重ねていきます。

もうひとつは、芸能事務所に所属するタレントの方々のライブ配信のサポートです。こちらも定期的にミーティングを設け、コンテンツの企画を立てたり、イベントを計画したりと様々な形でサポートしています。

ネクストトレンドとなりうるライブ配信に可能性を見出し、自ら事業化を提案

事業立ち上げの背景を教えてください。

小坂:私は昔から経営者になりたい気持ちが強く、自分がプロジェクトオーナーになってチャレンジがしたいと考えていました。そんななか、縁あってDirect Techに誘っていただきました。同社では、新規事業の立ち上げに関われるとのことだったので、ジョインしてすぐに新規事業の立ち上げを任せて欲しいと手を挙げました。

ライブ配信領域を選んだ理由は大きく2つです。

まず1つ目は、私自身、コンテンツが好きだったことがあります。以前はYouTuberなどのクリエイターサポート事業を行うUUUM株式会社に勤めていて、この領域はネクストトレンドになりうると注目していました。

2つ目は、ライブ配信事業が、ライバーの方とのご縁がいただければ仕入れ原価がかからず、マネタイズまでが早いビジネスモデルだったことです。とは言え、ライバーマネジメントにはエネルギーが必要で、手を出しづらいところでもありましたが、そこに新しいポジションが創れるならやってみる価値があると思い、チャレンジすることにしました。

インスタライブとは圧倒的に違う、ファンとの距離の近さが魅力

ライバーの視点からも、pino liveの価値についてお伺いしたいと思います。大原さんはいつからライバーとしての活動を始められたのでしょうか?

大原:ちょうどコロナ期間中の3月末からです。緊急事態宣言中は毎日のように配信していました。1日3時間配信を3回繰り返して、合計すると9時間の配信を行う時期もありましたね。今は自粛期間も終わり、女優としての仕事が再開できるようになったので、仕事に合わせて配信時間は変えながら行なっています。

これまでもインスタライブなど、動画配信の経験はありましたが、Pocochaは全く勝手が違い、最初は慣れるのが大変でした。ファンの方々から送られてくるアイテムに反応したり、コメントを読んだり。予め終了時間も決まっているので、予定通りに企画を進めるのでいっぱいいっぱいでした。しかしその反面、今まで経験したことのあるインスタライブとは、ファンの方との距離感の近さやコミュニケーションの量が圧倒的に違いました。一方向ではなく、リアルタイムで会話していくので、日常的に話している感覚なんです。またリアルタイムだからこその盛り上がりや臨場感を常に感じています。

最初の頃は、InstagramのフォロワーがPocochaに来てくださるケースが多かったですが、今は逆に、PocochaからInstagramへという流れができています。

未経験からどうやって企画を練っていったのでしょうか?

大原:トライ&エラーの連続でした。pino liveさんと一緒に企画を考え、一生懸命配信をしても、途中でコメントが止まってしまったり、全然反応がなかったりとうまくいかないことも多かったです。

手探りではありましたが、pino liveさんと定期的に面談をしていただき、客観的な意見をもらいながら企画を立てては試していきました。

最近で最も好評だった企画は、人気テレビ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」のワンコーナー「モジモジくん」のパロディでした。全身タイツで画面外から出てくるところでの、ファンの方々の反応が非常に良かったですね。また、同じく全身タイツで、ファンの方々からアイテムをもらった分だけ腹筋をするという企画も盛り上がりました。その配信中はひたすら腹筋してましたね(笑)。

自分ひとりだとたくさんの企画アイデアは出せませんし、バリエーションも偏ってしまいます。いろんな人の意見を聞くことで新しいアイデアが生まれることもあるので、そこがpino liveの皆さんに面談していただく一番の良さだと思います。

ライバーさんのプロデュースをする際、大事にしていることは何なのでしょうか?

小坂:それぞれのライバーさんのキャラや強みを理解したうえで、ファンの方はどんなコンテンツが見てみたいか、という視点でアドバイスすることが多いですね。

ライブ配信の世界は、リアルタイムでファンとコミュニケーションを取っており、その時の感情だったり流れだったり、その時々で正解が変わっていきます。とくに大原さんのような人気ライバーの場合は競争も激しいので、常に新しいことを仕掛けていかなければなりません。

モノが売れるライバーさんを育て、ライブコマースづくりに力を入れる

事業立ち上げにおいて一番大変だったことは何ですか?

小坂:今でこそ、事業立ち上げから1年以上経ち、仲間が増えましたが、立ち上げから半年間はほとんど私1人で事業づくりを行っていて、体力的にきつかったですね。100名近くのライバーの方々のサポートを1人で行っていました。

他のライバープロダクションとの違いは何なのでしょうか?

小坂:ベクトルグループとして事業に取り組めるので、スケールの大きなことができるのが強みです。今後は、ライバーに寄り添ったサービスと、クライアント(企業)サイドに寄ったサービスの大きく2軸で、グループの力を活かしながら拡大していきたいと考えています。

ライバーサイドでは、まずはライバーさんの自己実現ができるようなファンコミュニティ創造のお手伝いをしつつ、D2Cビジネスの側面をより強化していきたいです。モノが売れるライバーさんを育てたいですね。ライバーさんとはビジネスパートナーとして協業し、ライバーさんのファンコミュニティを活用しつつ、クライアント企業の商品やサービスの紹介を行うなど、マネタイズの多様化を図りたいです。

クライアントサイドとしては、コアであり、高い熱量を持ったファンコミュニティを活用し、ライブコマースづくりに力を入れていきたいと考えています。もともと、pino liveを立ち上げたのも、自社でモノを販売できるようになりたいという狙いもありました。YouTubeの次の媒体としてのポジションを確立したいと考えています。

情報過多な時代「誰が発信した情報か」がより重要に。コアなファンコミュニティを活かし、日本版ライブコマース を確立する

今後の展望を教えてください。

大原:今後もライバーとして配信を楽しんでいけたらと思っています。ファンの方々と、アプリを通して話す時間が自分の中ではすごく楽しくて、癒しにもなっています。出演する作品の告知をすると「おめでとう!」と温かいコメントがもらえて、励みになっています。これからも、そんなファンの方々とのあたたかい時間を大切にし、楽しんでいければと思っています。

小坂:pino liveとしては、ライブストリーミングによるいわゆる投げ銭、ライバーを起用したマーケティング支援、ファンコミュニティビジネスの3つを中心に、より事業を大きくしていく予定です。

マーケティング支援に関しては6月、ライバーのライブ配信中に商品・サービス等を紹介する「pino live PR」というサービスをリリースしています。企画立案からキャスティングまで、ワンストップで行えるようにしていきます。

上記3つの全てにおいてライバーの皆さんの存在が重要になってきますので、ライブストリーミングで活躍されているライバーさんに対して、ライブコマースもできるようになってもらえるよう、育成にも力を入れていきます。

先日とあるイベントでソムリエの方とライバーさんがワインの試飲をオンライン上で行いました。ソムリエの方はオンラインでのコミュニケーションに不慣れでしたが、ライバーさんは顔も見えないファンの方々に向け、コメントを拾ったり話を広げたりできます。そんな光景を目の当たりにし、ライバーはいろんなコミュニケーションを繋いでくれる存在にもなれるんだと、改めて実感しましたね。

情報過多な時代において、情報はある種、届かないのが当たり前になりつつあると思います。仮に届いたとしても、「本当にいいモノなの?」と疑われるのが当然です。そうなると「誰から聞いた情報を信じるのか」が重要になるのではと考えています。

ライブ配信は編集ができずリアルタイムで放送されるので自分を偽れない世界です。だからこそファンの方々はライバーを好きになりやすいですし、その人が使っていたりおすすめしているものが欲しくなります。
ファンとライバーは毎日のようにコミュニケーションをとりますので、ある意味では家族以上の存在にもなります。本当に価値のある情報を届けるお手伝いをしたいと思っています。

これからも、ライブ配信だからこそ生み出せる熱く深いファンコミュニティを活かし、ライバー、ファン、クライアントそれぞれにとって最適な、新しいPRのカタチを創っていきたいです。

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