42の連結子会社、4つの持分法適用会社を有するベクトルグループを支え、さらなる成長を遂げるためのバックオフィス改革

42の連結子会社、4つの持分法適用会社を有するベクトルグループを支え、さらなる成長を遂げるためのバックオフィス改革
コミュニケーション領域のFAST COMPANYとして「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンを掲げるベクトルグループ。コミュニケーションを軸に世の中の流れを捉えた様々な事業・サービスを展開することにより、常に進化を続けています。「Professional」ではイノベーティブな視点と彩り豊かな個性を活かし、活躍するグループ会社社員に、自身が取り組む仕事の社会的な意味や価値についてお話を伺います。

2020年からベクトルグループの取締役経営管理本部長を務め、財務を管掌する後藤洋介氏。普段は表に出ることが少ないバックオフィスですが、M&A、子会社設立、新規事業立ち上げなど企業の意思決定を全方位からカバーするオールラウンダーです。財務戦略の成否が経営戦略を大きく左右すると言われる昨今、後藤氏は多くの経営課題をファイナンスや管理の面から支えてきました。そこで今回は、後藤氏の経歴、仕事の醍醐味、管理サイドから見えるベクトルグループの展望についてお話を伺いました。
後藤 洋介
株式会社ベクトル 取締役 経営管理本部長

2007年、青山学院大学経営学部卒業後、ソフトブレーン入社。2015年、VOYAGE GROUP(現CARTA HOLDINGS)入社。2019年ベクトル入社、経営管理本部長。2020年、同社取締役経営管理本部長(現任)、あしたのチーム取締役(現任)。
参照元: YouTube

事業を成長させる強固な体制構築で、グループの企業価値向上に貢献する

後藤さんのポジションとミッションを教えてください。

2019年に入社し、現在は取締役経営管理本部長を務めています。子会社を含めて数多くの事業を束ねるベクトルグループ全体のガバナンスと事業のモニタリングと財務・経理・法務・投資などの取りまとめを担当し、他の企業で言えばCFOに近いポジションです。

本社といくつかの子会社の役員としてガバナンス体制を構築したり、決算を指揮したり。監査法人や社外役員の了承を得ることも重要な仕事です。現在は部門全体で30名ほどのチームで動きながら、当社の管理体制そのものの見直しにも注力しています。

ベクトルグループは会長の西江、社長の長谷川を筆頭にとにかく事業アイデアが豊富で、動きがフレキシブルかつ意思決定が早いという社風です。新規事業、子会社設立、M&Aもバンバン仕掛けています。

一方で、その強みであるスピード感は一歩誤るとリスクとして裏返りかねません。M&Aの際にデューデリジェンスを誤れば損失に繋がりますし、必要な手続きを踏まなければ、取締役の義務違反にもなりうる。そうした事態を防ぐために、グループ内のガバナンスを整えて、管理体制を常に強化し続けるのが私のミッションです。 

まずはリスクを潰しつつ、ベクトルグループの強みであるスピード感ある意思決定を大切にしながら、事業を成長させる強固な体制をつくる。事業基盤を作り、事業責任者と伴走しながらグループの企業価値向上に貢献していきたいと考えています。

主体性を持って意思決定できる立場と成長の機会を求め、ベクトルに入社

ベクトルグループへの参画は2019年ですね。それまでのご経歴を聞かせてください。

2003年に青山学院大学の経営学部夜間部に入学しました。1年生から3年生までは、平日はフルタイムで百貨店の契約社員として働き、土日は朝から夕方までビル掃除、夕方から夜まではホルモン焼き屋でアルバイトをしてました。常に稼働していたのでこの時に時間のやりくりが身に付いた気がします。

大学3年生の終わり頃に、営業支援サービスのソフトブレーンから内定をもらいました。その後大学4年生の1年間は、ソフトブレーンでアルバイトとして働いています。営業職での内定でしたが、アルバイトの募集は経理のみだったため、経理でアルバイトをすることになりました。半年ほど経った頃、役員の方から「経理での入社でも良いか」と聞かれ、それから現在に至るまで一貫して管理部門の仕事をしています。

たまたま経理になったこともあり、就職時は経理や財務という仕事に強い興味を持っていたわけではありませんでした。ただ、もらった仕事は一切断らずに、期待値を超えようと決めていました。その考えは今も変わりません。必要とされる仕事で成果をあげることが、結果的に評価もされ、活躍出来ることにつながります。自分が何をやりたいかよりも、何が必要とされているかを考えて行動するのが自分には合っていると思います。ただ、必要とされることを断らずに何でもやり、その上で期待値を超え続けようとすると、かなり忙しくなりますね(笑)。

ソフトブレーンの時はとにかく何でもやりました。株主総会・取締役会の事務局、財務会計、管理会計、決算説明資料作り、KPI管理、受発注・売上仕入の進行管理、基幹システムの運用・設定、契約書締結管理、その他総務庶務などなど。ソフトブレーン時代の上司には仕事に対する考え方を学ばせて頂き、とても感謝しています。管理部門であっても提案型・問題解決型の動きをし、管理部門だからこそ理詰めで考える人でした。全ての仕事に考え抜くことを学ばせてもらったことが、今、私の礎にもなっています。

当時は、会社が上場して数年という時期で、資金が集まり、事業はますます成長し、連結子会社も増えていました。このようなステージにある会社は、管理体制の再構築が必要となるケースが多いのではないかと思います。そんな環境で管理体制を強化していくミッションにやりがいを感じていました。
思えば、現在も含め、上場後数年が経過し、管理体制の再構築が必要となるステージの企業でずっと働いてきました。2015年に転職したVOYAGE GROUPには、上場した翌年に入社しました。M&A、連結子会社の設立、子会社同士の合併、持分法から連結子会社への異動、連結子会社から持分法への異動など、組織再編をスピード感を持って行う会社でした。ここでは財務会計の責任者として経理に深く関与しました。組織再編が多い分、決算や開示の難易度は高かったように思います。M&Aや組織再編に関与するにあたり、自分も価値判断の物差しを持ちたいと思い、早稲田大学大学院経営管理研究科ファイナンス専修の夜間部に2年通い、MBAを取りました。

2019年1月には、VOYAGE GROUPが電通グループのサイバー・コミュニケーションズと経営統合し、CARTA HOLDINGSに商号変更しました。その際の業務はシビれましたね。VOYAGE GROUPサイドとしてサイバー・コミュニケーションズの財務デューデリジェンスを行い、電通サイドからVOYAGE GROUPの財務デューデリジェンスを受けるなど、毎日締め切りに追われていました。その後、CARTA HOLDINGS連結としての15ヶ月の変則決算、新収益認識基準の早期適用、Purchase Price Allocation(のれん以外の無形資産を識別する業務)、逆取得(もともとあった親子間の間に入るM&A)など、論点が盛りだくさんの決算を行いました。VOYAGE GROUP、CARTA HOLDINGSでも新たな業務への挑戦をさせて頂き、その環境にもとても感謝しています。

CARTA HOLDINGSとしての最初の決算を終え、直後に現職に移りました。なぜ、ベクトルに決めたのですか?

自分の能力を最大限に活かせるから、というのが一番の理由です。以前から持っていたベクトルの印象は、事業成長のスピードが速く、株価も高くて「とにかく伸びている会社」というものでした。

しかし、2018年の終わりごろから株価が急落し、貸借対照表の資産の部にはのれんと投資有価証券の残高が、負債の部には有利子負債の残高が膨張していました。しかも、当時のCFOの方は退職されるということでどんな課題を抱えているのだろうと思いました。

入社前に話を聞くと、バックオフィスの体制再構築が一番の課題とのことでした。これはまさに私の得意分野です。主体性をもって意思決定に関われるポジションだからこそ成長の機会があると思い、最後は直感で入社を決めました。苦労も多そうですが、命までは取られまい、と(笑)。

2020年は種まきの年。コロナ禍で見出した活路と、変わりはじめた管理本部

ベクトルに入社して1年。突如コロナ禍に見舞われた2020年はどんな年でしたか。

コロナ禍の影響もあり、前半は厳しい業績となりましたが、同時に将来に向けて種まきをした時期でもありました。グループ会社ではプライバシーを守りながらデータを活用するプライバシーテック領域のPriv Tech、ハイパーカジュアルゲームのColorful Tails、医療領域のDX化を担うメディカルテクノロジーズを設立しました。他にも、企業のアポイント獲得を支援するサブスクリプション型のクラウドサービス「アタレル」でセールステック分野にも進出しました。

新規事業の立ち上げにひたすら伴走していた1年とも言えます。役員会への起案、資本政策の検討、事業計画書の監督にはじまり、会計ルール・契約書の雛形・職務権限規定と職務権限表・組織規程と組織図を作成。事業開始後には月次予算とのつき合わせをしたりと、事業責任者に伴走してきました。

既存事業も新しい動きがありました。AIを活用した動画自動生成サービスを手掛けるSoVeCでは、VR空間でのバーチャル展示会プラットフォーム「そのまま展示会」というサービスを開始しました。Direct Techは、ECプラットフォームのBASE社と協業しました。PR事業にも変化がありました。リアルイベントとオンラインの併用を模索したり、ライブコマースも広がりました。コロナ禍をきっかけに、ベクトルグループの新しい形が見えはじめています。

バックオフィス側は、環境整備に着手した年です。新しい仕組みに変えるときには、どうしても社内での反発もあります。なぜ今変えなくてはならないのかを話し、動きながら考えてもらうことの繰り返しです。時には嫌がられます(笑)。重要なのは、メンバーに期待を伝えて、自分も動くことだと思います。

ガバナンスに関しては、2020年から社外取締役が過半数になったことで、取締役会で活発な意見が飛び交うようになりました。取締役会での意見を経営に取り入れていくこともとても重要です。

アイデアが無限に湧いてくる会社だからこそ、その全てを実現できるような管理体制を

これから、経営管理本部長としてバックオフィス機能で実現したいことは?

経営陣だけではなく、社員全員が「点取り屋」みたいな会社ですから、新しいアイデアも課題も次から次にやってくる(笑)。でも、「こう攻めたいんだ」という話を受けて、経営と監査法人と社外役員の全員が納得するシナリオを用意し、やりたい方向に落とし込む。難しい状況でコンセンサスを取れる「答え」を探し当てたときに、何よりこの仕事の醍醐味を感じます。

バックオフィス機能で実現すべきは、社内からアイデアが無限に湧いてくる会社だからこそ、その全てを実現できるような管理体制をつくることです。当社の事業ポテンシャルが非常に大きいことは入社前からよくわかっていましたし、入社後も実感しています。ベクトルグループの総合力とスピード、そして新規事業開発力を最大限に活かせるような強いバックオフィスを作っていきたいと思います。それによって、売上も利益も成長していくし、一緒に働いている人たちも、レベルアップしていくはずです。今まで出来ていなかったことが出来るようになり、スキルも報酬も上がっていく。ただ作業力がつくだけではなく、モノの考え方が変わっていく。会社としても、ベクトルグループで働く人もみんなでより良い状態になれると嬉しいし、より良い状態になれるよう努力していきたいと思います。私自身は、「できません」と言うのが嫌いです。ですから今後もベクトルグループの強みを活かし、どうやったら出来るかを徹底的に考え抜きたいと思います。

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