「コミュニケーション戦略の傘」を作るのがPR。イニシャル執行役員が10年の経験を経て想う、PRの本質とは。

「コミュニケーション戦略の傘」を作るのがPR。イニシャル執行役員が10年の経験を経て想う、PRの本質とは。
「運命の出会いを、ヒトとモノとコトの間に」という世界観を掲げるベクトルグループ。コミュニケーションを軸に世の中の流れを捉えた様々な事業・サービスを展開することにより、人々の暮らしに彩と運命の出会いを添えるべく、常に進化を続けています。「Professional」ではイノベーティブな視点と彩り豊かな個性を活かし、活躍するグループ会社社員に、自身が取り組む仕事の社会的な意味や価値についてお話を伺います。

今回は、グループ内のコミュニケーションテック領域において、統合的なPRコンサルティング及びブランディングを担う、株式会社イニシャルの執行役員、宮田 有里子氏に、PR業界の変化やベクトルグループの中でご自身が目指す未来について、お話を伺いました。

ここ数年で、PRに求められる役割が変化している

宮田さんの業務内容を教えてください。

2020年3月より、株式会社イニシャルの執行役員を務めています。また、局長及び営業部長も兼任しており、組織運営はもちろん、各部署の売上の把握から売上向上のための案件獲得、コンサルティングなどの実務まで幅広く担っています。

入社して10年ということですが、この10年で宮田さんの業務やPRそのものに変遷はあったでしょうか?

入社当初は、消費者との接点を持つためにメディアを活用して情報発信を行うことが一般的でした。だからこそ、PRといえばフリーパブリシティを獲得してマスメディアに露出していくことという概念がありました。しかし今、マスメディアと同じくらいSNS等、消費者個人の発信力のインパクトが大きくなっており、SNSで話題になっているものをテレビ番組が後追いで取り上げることも多くなっています。

そういったこともあり、我々もメディアを通してのみではなく、生活者に対してダイレクトにコミュニケーションをとれる体制を整えています。最近では、動画のコミュニケーションをより積極的に行ったり、ライブ配信をしてECサイトに遷移してもらうような流れを組み立てたり、そのためにタレントやインフルエンサーをキャスティングしたりと、消費者の購買導線を創出するために、どんな見せ方やソリューションが最適なのかを考え、お客様にご提案することがほとんどです。

コミュニケーション戦略全体の設計に携わり、売上が20倍に

PRとして求められる役割が変わっているとのことですが、何か印象的な事例があれば教えて下さい。

最近では通信サービスのPRが代表的な事例だと思います。まだサービス名称も決まっていない段階からPRのご相談をいただきまして、商品の特徴をヒアリングし、消費者に受け入れられやすいネーミングの検討から携わらせていただきました。

また、消費者とのコミュニケーションをネットで完結させるため、サービスサイトに誘導する動画を作ることにしました。聞き馴染みのある曲とともに商品名を覚えていただこうと考え動画を制作し、完成した動画はYouTube動画広告に使ったりと、Web上でのコミュニケーションに活用しました。途中からテレビCMを行ったりもしましたが、キャンペーン開始時はWebCMに絞って展開しました。

その結果、半年で20倍ほどの売上に達することができ、商品名のキーワード検索数も向上しました。

コミュニケーション戦略の傘を作るのがPRの役割

PRの役割が変わってきたと感じたタイミングはいつなのでしょうか?

実感として大きく感じるようになってきたのは、ここ2、3年ですね。これまでずっと変わってきている傾向はありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響によりその傾向がさらに加速したように思います。

外出規制などの影響で全く売れなくなってしまった商品を扱うお客様からご相談されるケースが増えたことで、よりPRの役割変化を感じるようになりました。改めてどんなコミュニケーションが最適なのか、より上流から考える流れが加速してきたように思います。

もちろん、フリーパブリシティが全く有効でなくなったわけではありません。有力なメディアも多くあり、お客様からの需要もあります。ただ、世の中の情報流通の構造や消費者側のニーズ自体が変わってきているので、その変化に対応する必要があると思っています。

大切なのはPR戦略を組み立てる、いわゆる「コミュニケーション戦略の傘」を作ることです。世の中の声を活かしながら、コミュニケーションとして商品やサービスをどう伝えていったらいいのかという戦略の傘、上流の部分を作るのがPRの役割です。まずは戦略の傘を決め、その軸をブラさずに最適なソリューションを選んでいくことが必要です。

戦略さえ決めてしまえば後は、50社近くの子会社を抱えているベクトルグループが有するあらゆるソリューションを活用できます。包括的にあらゆる選択肢の中から、コミュニケーションの軸をブラさない手段を選べるところは我々の強みだと思っています。

そもそもPRとはPublic Relationsの略で、あらゆるステークホルダーとどのようにリレーション(関係性)づくりを行うか、考えるのが仕事です。なので、今市場で求められている流れは本来のPRの役割に戻りつつあるのだと思っています。

変化が求められているとのことですが、宮田さんご自身はそんな傾向をどのように感じていらっしゃるのでしょうか?

私は今、ある意味すごく良い時代にいるなと感じています。世の中が大きく変わっていく中で我々が持たなければならないスキルや知見も変化をし続けています。良い意味でゴールがないんですよね。そんなある意味チャレンジが続く状態を私は非常に面白いと感じています。

入社当初からパブリシティ獲得のため、いろんなメディアにアプローチする仕事もしていましたし、クライアントに寄り添いながらPR戦略を組み立てる仕事もしていました。いわばオールラウンダー的にあらゆる業務を経験させていただいている形です。チャレンジの連続で大変なこともありましたが、過去のトレンドも知った上でデジタルを中心とした新しいPRのやり方を構築していけるのは、今や私の強みになっています。

宮田さんが感じるPRの醍醐味はなんですか。

コミュニケーションという広い領域の中で様々な施策を考え、トレンドを創りながら世の中にいいモノを広めていく、世の中を良くしていくという仕事はすごく面白いと思っています。世の中を創っていく仕事だからこそ、インプットを欠かさず、自分も常にチャレンジをしなければいけません。PRが本来の役割に戻ったことで、チャレンジできる要素も多くなり、それがすごく面白いですね。

ベクトルグループと共に、常にチャレンジしていきたい

宮田さんから見て、ベクトルグループはどんな会社ですか?

常に新しいことをやる会社ですね。新しいことをやるのが当たり前という感覚です。世の中動きを読んで「先」を作っていくという仕事なので、その「先」に必要とされるソリューションを時代に合わせて拡充し続けているイメージです。

どうすれば生活者と効率的なコミュニケーションが取れるのかを常に考え、新しいソリューションを創り続けた結果、あらゆるステークホルダーとの関係性を最適化するというPRの本来の役割を確実にご提供できる、これがグループ全体としての強みになっています。

また良い意味で自由度が高い会社です。私が入社した頃はまだ100名程度の組織規模でしたが今ではグループ全体で1300名ほどの社員が働いています。この規模になっても社員一人ひとりのやりたいことを否定しないからこそ、私もチャレンジし続けられているのだと思いますし、チャレンジしないともったいないと思っています。

若いうちから組織経営にも関わることができ、世の中の空気を創ることにも携わることができて、すごく面白い会社だなと思います。

最後に、今後の展望を教えてください。

PRを上流視点・経営者視点で組み上げていくことができる人材をもっと増やしていきたいですね。また女性ならではの感覚が活きる部分が大きい仕事だからこそ、活躍できる女性をもっと増やしていきたいと思っています。

そして、PR視点を踏まえコミュニケーション戦略全体を構築していくことがより当たり前になるよう、PRの意義をマーケティングの上流へとより押し上げていきたいです。本来のPRの在り方や価値に対する世の中の認識を変えていくことによって、ベクトルグループが提供できる価値をより大きくしていきたいですね。

そして、経営者を育てることを大切にし、社員を育て子会社を任せながらアメーバ経営を続けているベクトルグループにいるからこそ、様々な制度を使いながら、私自身もいずれコミュニケーション領域において新しい事業にチャレンジしたいと思っています。

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